吉永小百合さんの40代は、女優としてさらに深みを増した時期でした。
この年代には映画出演100本の記念となる作品「つる-鶴-」(1988年)が公開されました。
この映画は、民話「鶴の恩返し」をもとにし、吉永さん自ら企画に関わったメモリアル作品です。
また、この頃に映画「夢の女」(1993年)で侍の娘から娼婦となった女性「お浪」を演じ、彼女の儚い半生を描きました。
この映画はベルリン国際映画祭にも出品され、国際的な注目を浴びました。このような挑戦的な役柄を通じて、吉永さんは深みと円熟味を感じさせる演技で評価を高めています。
吉永小百合40代
チョッピー
のびお
吉永小百合40代映画出演&テレビ出演
吉永小百合さんの40代は演技に深みがあり、円熟した俳優になっていました。
出演作品も国際的に注目されるようになってきました。
1985年(40歳)
夢千代日記(主演・永井左千子)
キャスト:吉永小百合/北大路欣也/樹木希林/名取裕子/田中好子
出典元:映画。com夢千代日記
あらすじと詳細
神戸の病院で余命半年と告げられ、湯村に帰る余部の鉄橋という、おなじみのシーンで始まります。夢千代は母の代からの芸者置屋「はる家」の女将。母のお腹の中で浴びた胎内被曝のため白血病を発症しています。
薄幸のヒロインです。入院を拒み「たとえあと半年の命でも、湯村で過ごしたい。みんなと一緒にいたい」と汽車の中で夢千代はつぶやく。この気持ち、わかりますね。あと半年だからこそ、自分が人生の足跡を記したホームグラウンドで生きたいのです。
ちょっと横道にそれますが、吉永小百合の顔のどこがいいかと訊かれたら、眉です。彼女の意志の強さがよく表れた、くっきりした黒い眉。最近の女優はハリウッドも含め、ほとんど薄い細い眉が好みみたいですが、眉があるのは人間だけ、それがしっかり知性と自己を主張しているっていいと思うな。
イングリッド・バーグマンやグレース・ケリーがちょうどそんな眉でした▼余部の鉄橋から身を投げる女性を夢千代は目撃します。警察が殺人事件として容疑者を逮捕した。夢千代は女性が飛び降りる際、両手を合わせていたのを見た、だから自殺であり、殺人ではないと刑事に言う。
そのとき乗り合わせた旅役者の男性も目撃した、訊いてみてほしいと。この男性・宗方勝が北大路欣也です。夢千代のたっての願いにも彼は「見ていない」と繰り返す。
宗方は父親を殺した罪で逃亡中、あと一ヶ月で15年の時効になります。だから警察の捜査に協力するなんてもってのほか。でも夢千代は宗方が好きになる。全編を通じて、本作は冗長でした。よほど桐山監督は体調が悪かったのか、見たの、見ないの、と繰り返してばかりで、しまいに(もうどっちでもええやん)と、面倒くさくなるところを救ったのが脇役陣です▼夢千代一家の芸者たちと旅役者・春川桃之助の小川真由美です。
芸者の古株・菊奴が樹木希林、夢千代の体が「日に日に透明になっていく」と悲しみ、若い子のまとめ役となる。好きな男のため彼の妻の代わりに子を宿す兎(名取裕子)、スキー指導員に恋する紅(田中好子)、「兎ちゃんや紅さんみたいに綺麗やったら売れる芸者になれるけど」自分はそうじゃないと、日本画の大家のヌードモデルになる小夢(斎藤絵里)。夢千代は彼女らを可愛がっている。
死ぬのなら「みんなと一緒にいたい」というのは彼女らのことです。旅まわりの女剣劇の座長の小川真由美が、娯楽のない小さな温泉町の、畳に座布団を敷いただけの、十人か十五人しかいない客が、それでも盛り上げてくれる場末の小屋で、のびのび座長をやる。
そんなシーンが生き生きしています▼宗方と夢千代は結ばれるのですが、翌日夢千代の容態悪化、隠岐島から湯村に帰り、息を引き取ります。なんで夢千代が宗方に惚れたのか、もひとつ、掘り下げがないのよね。人を好きになるのなんか雷が落ちるようなものだから、掘り下げもヘチマもいらんってことかいな。
バタフライで1000メートル泳ぐ、健康そのものの吉永が死期近い病人役で善戦。さすがの女優力を感じました。
出典元:ウーマンライフ
1986年(41歳)
玄海つれづれ節(主演・山岡ゆき)
キャスト:吉永小百合 八代亜紀 風間杜夫 草笛光子 樹木希林
出典元:映画.com玄海つれづれ節
北九州を舞台に、夫に蒸発された女性が仲間に助けられながら自立していく姿を描いた作品です。
吉田兼好の『徒然草・第三八段』を原作とし、脚本は『オーディーン 光子帆船スターライト』の笠原和夫さん、下飯坂菊馬さん、兵頭剛さんの共同執筆によるものです。
監督は『天国の駅』の出目昌伸さん、撮影は『ビッグ・マグナム 黒岩先生』の飯村雅彦さんがそれぞれ担当しています。
のびお
1987年(42歳)
【映画女優】(主演・吉永小百合:田中絹代)
日本を代表する大女優・田中絹代の映画デビューの頃から41歳までの半生を、市川崑監督が映画化。
出典元: 映画.com・映画女優
吉永小百合さんが田中絹代さんに扮しています。
大正14年、新人監督・清光宏の強い推薦で、少女・絹代は蒲田撮影所の大部屋女優として採用される。
絹代の素質を見抜いた五生平之助監督は、自作の主役に絹代を抜擢。ライバルに絹代を奪われた清光は絹代に強引に迫り、やがて二人は同棲生活を始める…。
本映画史そのものを不世出の女優・田中絹代と巨匠・溝口健二監督を中心に描いた野心作。
キャスト:吉永小百合・田中絹代 森光子・母ヤエ
あらすじは次のような流れです。
大正14年。女優を志す少女・田中絹代は蒲田撮影所の大部屋女優として採用された。新人の監督清光宏の強い推薦のおかげだった。
上京に当っては母のヤエ、姉の玉代、兄の晴次と洋三、それに伯父の源次郎までが関西の生活を捨てて同行することになった。大部屋の給料が10円~15円だった当時、破格の50円をもらい、清光作品ではいつも良い役がつく絹代に、同僚の嫉妬が集まったが、小さな身体にファイトをみなぎらせて撮影所通いを続けた。
そんな絹代の素質を見抜いた五生平之助監督は、撮影所長の城都を説得し、「恥しい夢」の主役に抜擢した。自分が発見した新人女優をライバルにとられた清光は、「恥しい夢」が完成した後、強引に絹代に迫った。何事にも熱中するタイプの絹代は、清光との愛にも激しく燃えた。
城都の提案で2年間の試験結婚という形で同棲生活を始めたものの、女優としての仕事が忙しい絹代は炊事も掃除も満足にできない花嫁だった。ある日、清光が暴力を振るい、怒った絹代が座敷でオシッコをするという抵抗の仕方で終った。
それ以後の絹代の活躍は目ざましかった。第一回トーキー作品「マダムと女房」の主演と成功、「伊豆の踊子」の主演、そして「愛染かつら」の大ヒット……。しかし、家庭的には恵まれなかった。
姉の駆け落ち、撮影所をやめた兄たちの自堕落な生活、母の死が絹代を打ちのめしたが、付人兼用心棒として雇った仲摩仙吉に励まされ、何とか切り抜けることができた。昭和15年、絹代は溝内健二監督の「浪花女」に主演するため京都に向かった。
やかましさとねばり強さで有名な溝内の演出に、絹代の激しい開志が燃え上がった。それから11年の歳月が流れ、昭和26年秋、溝内から出演交渉を受けた絹代は京都を訪れた。
戦後の新しい時代に即応できず低迷していた溝内は、新作の「西鶴一代女」に起死回生を賭け、そのパートナーに絹代を選んだのだ。お互いに好意を持ちながら、仕事となると仇敵のように激しく火花を散らす2人--。
メイクで老醜の無残な限りをさらけ出す絹代--。そこには溝内が心中しようとしている「西鶴一代女」と、自分も心中しようと決意した絹代の、女として映画女優としての凄まじさがあった。
出典元:映画.com・映画女優
1988年(43歳)
【つる -鶴】(主演・つる)※通算100作目記念映画
華の乱(主演・与謝野晶子)
吉永小百合の映画出演100本記念作品です。鶴の化身の女と百姓の男との愛を描く作品。民話「鶴の恩返し」「鶴女房」の映画化で、脚本は「ビルマの竪琴(1956)」の和田夏十と「竹取物語(1987)」の市川崑、日高真也が共同で執筆。監督は「竹取物語(1987)」の市川崑、撮影は「トットチャンネル」の五十畑幸勇がそれぞれ担当しました。
出典元:Amazonつるー吉永小百合
キャスト:吉永小百合 野田秀樹 樹木希林
あらすじは次のような流れです。
ある雪の夜、貧しい百姓・大寿の家に美しい女が訪ねて来た。名前はつるといい、大寿の嫁になるのだという。大寿には中風で寝たきりの母・由良がいたが、つるは実に働き者だった。つるはある日、由良が使っていた機織り道具を見つけて機を織ってみたいと言った。
ただし、織っている時、決して覗かないでくれという。つるは食事も取らずに機を織り、翌朝、素晴らしい布を見せてくれた。大寿はさっそくその布を鼻把の長者に売りに行ったが、つるのやつれた姿には気がつかなかった。
悪知恵の働く馬右衛門は自分もひと儲けしようと、もう一度つるに機を織るよう大寿に勧めた。由良はつるの素性が気になっていたが、彼女は山育ちの孤児と答えるだけで多くを語ろうとしなかった。
つるの織った機のおかげで、大寿の家は次第に潤ってきた。ある日大寿は長者に呼ばれて、もう一枚布を織れと命令される。つるは「あの布は一生に一度しか織れない」と言ったが、大寿のために身を削る思いで織ることにした。
そして今度も絶対に織っている姿を見ないことを約束させた。しかし、夜が明けても納戸から出てこないので、大寿はとうとう中を覗いてしまう。そこで大寿が見たものは、機を織る一羽の鶴の姿だった。
つるは以前、大寿に命を助けられた鶴の化身だった。つるは束の間の幸せに感謝すると、鶴の姿になって大空へ去っていった。
出典元:映画.com つる
1989年(44歳)
「春までの祭 」フジテレビ
キャスト:吉永小百合 藤竜也 笠智衆
フジテレビ開局30周年を記念して制作された本作は、山田太一さんが脚本を手がけ、未亡人と義父の関係の移ろいを丁寧に描いています。
春までの祭り 吉永小百合
数々の名作を生み出してきた山田さんと名優・笠智衆さんがタッグを組み、亡き息子の嫁に新たな恋の兆しが見え始めたとき、義父が抱く複雑な思いを繊細に表現しています。
物語は、3年前に息子を亡くした逸次(演:笠智衆)が、息子の嫁・香奈(演:吉永小百合)と高校生の孫とともに、寂しさを抱えながらも穏やかな日々を送っているところから始まります。
そんなある日、逸次は香奈が見知らぬ男(演:藤竜也)と密かに会っている姿を偶然目にしてしまいます。義理の娘の幸せを願いながらも、その相手との関係が気になり、逸次は次第に行動を起こしていきます。
1990年(45歳)
※この年も映画出演作なし(テレビ・ラジオ・朗読活動中心)
吉永小百合さんは78歳の時にフジテレビ系「まつもtoなかい」(日曜後9・00)にゲスト出演し、映画へのこだわりについて次のように語っていました。
一方で、テレビドラマは1989年放送の同局「春までの祭」が最後で、34年も遠ざかっている。吉永は「ドラマは1989年に笠智衆さんと出たのが最後。笠智衆さんがおやめになるからということで、出ましょうということで」と出演理由を明かした。
映画とテレビドラマの違いについて、吉永は「映画は50年、100年、もしいいものを作れば残る。テレビはその瞬間、瞬間が素晴らしい」と持論を口にした。「1回、3時間ドラマと初めてやった時に、王貞治さんがホームランの世界新記録を出すか出さないかという時で、もしそれが成立すれば、みんなそっちを見ちゃうじゃないですか?ドラマよりも。テレビってそういうものなんだ。その瞬間、瞬間のインパクトが強いものを見ていく」。国民的関心事と重なった時期だったという。その結果、「すごく時間はかかるけど、映画だったら100年もつ映画もあるから、映画にしようと」と決意。映画女優を主軸に活動をすることにしたと明かした。
出典元:スポニチ
1991年(46歳)
※この年も映画出演作なし
シチズンのCMに出演しています。
1992年(47歳)
47歳になった吉永小百合さんは2本の映画に出演しています。
「外科室」と「天国の大罪」という作品です。
では、順番に解説していきます。
外科室(主演・貴船伯爵夫人)
外科室は1992年2月8日(土)に公開されました。
麻酔を使わずに手術を受けることを望んだ伯爵夫人と、彼女の手術を担当する若き医師との間に秘められた想いを描いたドラマです。
泉鏡花の同名小説を原作にしており、脚本と監督を務めたのは、これが映画初監督作品となる五代目坂東玉三郎さん。歌舞伎俳優として知られる彼が手がけた、美しくも切ない物語です。
– キャスト –
吉永小百合 加藤雅也 中井貴一 クロアブチ ハルコ
あらすじは次のような流れです。
明治時代のとある外科室。貴船伯爵夫人は、うわ言で秘密を漏らすからと手術の麻酔を拒み続けていた。
彼女は青年医・高峰に麻 酔なしの執刀を頼む。周囲の驚きをよそに、メスを握る高峰。そして、その現場を見守る彼の学友でもある日本画家の清長。
実は 9年前、植物園での一瞬の邂逅を夫人と高峰は忘れていなかったのだった。
心の奥深くに2人だけの秘密として刻み込まれていた 愛の世界。
しかし、夫人は手術中のメスを奪い自らの胸を突き、やがてその後を追うように高峰も命を断つのだった。
出典元:松竹・外科室
のびお
天国の大罪(衣畑遼子/吉永小百合)
人種の坩堝と化した近未来の東京新宿を舞台に、東京地検特捜部の女検事とその上司の不倫愛、チャイニーズ・マフィアのボスと女検事の愛憎を描くアクション・ロマンです。
吉永小百合さんの、新たな魅力が垣間見える映画になっています。
出典元:Amazon天国の大罪
キャスト:
◎衣畑遼子/吉永小百合 ◎蔡文華/オマー・シャリフ
◎青木/東山紀之 ◎奈良本/清水紘治
◎田辺千恵/本阿彌周子 ◎鳥海/勝部演之
◎黄亢虎/西田敏行 ◎ 田辺邦夫/松方弘樹
あらすじは次のような流れです。
第1章 日本モスキート街/衣畑遼子と田辺邦夫は東京地検特捜部の女性検事とその上司で、10年以上も男女の関係が続いていた。
遼子は田辺の子を身籠っていたが、妻子ある田辺は堕胎を求め、年齢的に今をのがすと一生子供は生めないと思っている遼子はそれを拒んでいた。
同じ頃、「モスキート街」と呼ばれる外国人街では検察のスパイが殺され中国人の黄亢虎が逮捕された。田辺と遼子は黄のボスであるチャイニーズ・マフィアの蔡文華を見張るが、蔡は巧みに遼子に取り入り獄中の黄を自殺に追い込む。
それが原因で田辺と遼子は別れ、地検をやめて弁護士になった遼子は子育てに生き甲斐を見出していく。ある日、遼子の検事時代に強制猥褻罪で摘発された奈良本は彼女に対する復讐の機会をうかがっており、その子孝彦を誘拐する。
半狂乱になった遼子は裏の世界に通じている蔡に孝彦を救出してもらう。 第2章 家族/遼子と蔡は同居していた。
2歳になった孝彦は蔡になつき、蔡もまた孝彦を実の子のように可愛がった。だがいつも頭をかすめるのは、自分の特殊な仕事と幸福な家庭とは決して両立しないだろうということだった。
蔡は国際的な合法企業の裏で、世界に麻薬を密輸する組識の幹部だった。案の定、田辺による組識包囲網は動き始め、最後の大仕事の最中、蔡以下組識の全員が逮捕される。
これは大口取り引きを知った遼子が、麻薬シンジケートの内情を提供すれば蔡を不起訴処分にするという約束を田辺から取りつけた結果だった。
シンジケートの内情が日に日に明るみに出ていくなか、蔡の首に300万ドルの賞金がかけられた。数日後、とある外国の郊外で遼子と蔡と孝彦が幸福に暮らす姿があった。
だがそこに銃を持った数人の男たちが襲撃し、蔡が重傷を負う。危機を救ったのは遼子の鮮やかなガンさばきだった。男たちを倒した遼子は、蔡と孝彦を連れいづこへともなく去っていった。
出典元:映画.com・天国の大罪
注)動画を観るにはYouTubede見るをクリックしてください。
1993年(48歳)
夢の女(主演・お浪/花魁楓)
侍の娘として生まれながらも、やむなく娼婦となったお浪の儚い半生を描いています。
この物語は、永井荷風による同名の初期小説を久保田万太郎が新派の舞台用に脚色した台本をもとに、モノクロの映画として表現されたものです。
「外科室」を手がけた五代目坂東玉三郎が、再び吉永小百合さんを主演に迎え、監督第二作として描いた心に響く作品です。
夢の女 吉永小百合
あらすじは次のような流れです。
明治も終わりの頃。奉公先の旦那の手がついて妾となったものの、旦那の死により縁を切られ、生まれたばかりの娘・お種も里子 に出し故郷に戻ってきたお浪(吉永小百合)は、土族であった父の病気と多大な借金のため、深川州崎遊郭の大店『大八幡』に身 を売り、楓という花魁となっていた。
三年ぶりに故郷に戻ってきたお浪は、お種が里子先でひどい仕打ちを受けていると要やのお さわ(佐々木すみ江)から聞かされ、店のお松(樹木希林)の知恵を借り、年期を延ばして借金を重ねてお種を引き取ることにし た。
お浪には小田部 (永島敏行) という薬問屋の品員の客がいたが、お浪に入れこむ余りまだ一緒になれないことが分かると首を 絵って死んでしまう。
『男を破滅させる毒婦』と新聞に書きたてられたお浪はすさみ、酒に溺れ、人気もなくしていった。だがあ る日、上郷(安井昌二) という相場師が全てを承知した上でお浪を身請けした。
七、八年後。洲崎の海を見晴らす土手の上でお松 が二代目の楓(片岡京子) にそんなお浪の思い出話をしていたところへ、侍合の女将となったお浪が現れる。
二人は涙ながらに再 会を喜んだ。お浪は二代目・楓に、そして自分自身に言い聞かせるように、夢のように過ぎていった日々を語り、洲崎を離れてい くのだった。
出典元:松竹・夢の女
のびお
1994年(49歳)
女ざかり(主演・南弓子)
初めて提唱された社説がきっかけとなり、忍び寄る権力に立ち向かう女性論説委員の奮闘と、彼女を取り巻く人々の姿を描いたドラマです。
「水の豚人 KIDS」で知られる大株丸谷才一さんの同名ベストセラー小説(文・刊)を原作に、野上雄、渡辺西、大林が共同で脚本を担当しました。
撮影は坂木典隆さんが手がけ、主演の南弓子役には吉永小百合さんが扮し、さらに栗華スターも共演する豪華な作品です。スーパー16ミリでの撮影が、この物語に特別な深みを与えています。
キャスト 吉永小百合 三國連太郎 津川雅彦 藤谷美紀
あらすじは次のような流れです。
三期の論説委員になった新日報社の帝弓子(吉永小百合)は、社会部出身の同僚・浦野(三國連太郎)を手助けする一方で、初め ての社説を置いた。
だがその社説は水子供養で儲けている、ある宗教団体の教祖を怒らせてしまい、そこから巨額の援助を受けて いた政府与党の幹事長・榊原(岸部一徳)の圧力で、弓子は左遷を言い渡されることに。
だが、彼女はきっぱり拒否。左遷が不首 尾に終わると、今度は新社屋建設における国有地の払い下げに、待ったがかかる。
彼女に思いを寄せる浦野の調べで事態の全貌を 知った弓子は、愛人関係である大学教授、豊崎(津川雅彦)に相談、浦野をはじめ、彼女を助ける動きがあちこちで起こった、豊 崎は自分の妻が榊原の妻と知り合いであるところから、弓子の一人娘の千枝(藤谷美紀)は恋人・川(風間杜夫)の叔父が政界 にも顔がきく書派・大沼(片岡鶴太郎)である瞳から行動するが、いずれも弓子を助けることは出来なかった。
意地でも引き下が りたくないと抗戦する弓子だったが、意外なところから、事態は解決した。
弓子の伯母であり往年の映画女優,柳雅子(月丘夢 路)が、現首相の田丸信伍 (山崎努)の恋人であったのだ。
こうして全てが解決し、浦野が定年退職を迎えた日、弓子もまた退社 することを告げた。別れた夫が余命いくばくもなく、その看病を決意したのである。
仕事にケリをつけ、浦野との、また豊崎との 恋も終わったようではあるが、彼女はまた新たな“女ざかり”がやってくる思いを感じていた。
出典元:松竹・女ざかり
吉永小百合プライベートエピソード
吉永さんは40代に入って健康にも気を配り始め、水泳を始めたのもこの年代です。
これが現在でも続いており、若々しさを保つ秘訣とされています。
彼女の40代は、役者としての円熟味と挑戦が光る、充実した時間だったと言えますね!
「40〜50代はまだまだこれから。その年代を超えると自分をコントロールしたり、トレーニングが必要になってくるからこそ、今の時間を大切にしてほしいです。シンプルに生活を整えて、まだ運動をしてない人も今からできる範囲でスタートしてみてください。いくつからでも遅すぎることなんてありませんよ」
出典元:美st