「こんなご時世、こんなご時勢」、どちらもこの時代を表した言葉なんですが、
似たようでいて、若干違います。
そんな「ご時世とご時勢」の意味と使い方を最新の例文で解説していきます。
スッキリと使い分けができるように、意味を理解していきましょう。
「ご時世」の意味と例文をご紹介
では、「ご時世」の意味から解説していきますね。
時世は世の中、という意味です。
時世「時代、移りかわる世の中」(ありがたいご時世だ)
時世は必ずしも「ご」をつけなくてはいけない訳ではありません。
「こういうご時世ですから」という言い方の場合は、良くない時世の時に使う言い方です(後に続く言葉としては仕方ないとか我慢しなくては等)。
ご時世の例文
★母親がコロナのご時世なのに帰省(田舎から都会)すると言っています。 ★二三日前から少し体調が悪く、このご時世ですので、コロナじゃないかと不安になっています。 ★コロナが流行っているこのご時世の中で、人込みに行くのは怖いな。 ★このコロナのご時世マスク着用が当たり前になってきました |
世界中を巻き込んだコロナ感染症!
このコロナについて伝える時は「時世」の方がいいでしょう。
次のように考えると分かりやすいと良いと思いますよ。
「時世」は移り変わる世の中のことです。 それに対して「時勢」は時代とともに変わる世の中の傾向をいいます。 |
「ご時勢」の意味と例文をご紹介
時代と共に変わる世の中の傾向が「時勢」ということです。
例えば
「小学校から授業で英語を始めるご時勢です」
「プログラムミングを小学校から学ぶご時勢ですから」
そんな「時勢」について解説していきますね。
時勢、については「時世」の「流れ」を意味しますので、
「最近、株価が上がっていますよね?」
「はい、今の時勢だと売りに入っても良いかもしれませんね」
このような場合であれば適切な使い方だと思います。
時勢「逆らいがたい勢いで変動する時代の流れ」(時勢を見る目がない、老人が住みにくい世の中になったのもご時勢だね) 時勢「世の中の移り変わる様子、世の中の成りゆき、時代の流れ、時流」(時勢に逆らう、時勢の赴くところ) |
「時勢」とはこのような意味があるのです。
では時勢の例文はどのようなものがあるのでしょうか?
ご時勢の例文をご紹介
「ご時勢」は抗えない時代の流れのような時に使う言葉のようです。
★必死で仕事をしていないとすぐクビになるこのご時勢では、 うっとうしい長い髪を払いながらの悠長な仕事ぶりでは許されない。柴門ふみ『恋愛の法則36』より引用 ★東京の高級レストランでも本物そっくりの胡蝶蘭を模した造花が堂々と飾られているこのご時勢に、風呂場に本物を飾るとは!!!さすが老舗のプライド。柴門ふみ『とっても、愛ブーム』より引用 ★ところがこんどは、吉原もいかん、売色はすべて罪人としてひっとらえるというんじゃから、驚いたご時勢になったものだ。山田風太郎『警視庁草紙(上)』より引用 ★コロナ禍、現金を使わないキャッシュレス化が急速に進むご時勢になった。 |
「ご時勢」はこのような感じの使い方ではないでしょうか。
なるほど、「ご時世」とは使い方が違いますね。
その時代の大きな流れのような時に使う言葉なんですね。
さぁここまで「ご時世」と「ご時勢」について解説してきましたが、
次のようなコロナを使う言葉ではどちらを使うべきでしょうか?
コロナが蔓延しているこの「ご時世」と「ご時勢」どちらが正しい?
さあこんな時はどちらを使うべきなのでしょうか?
このコロナは何年も続きそうですよね、勢いもしばらく収まらないかもしれません。
ですから、「時勢」でもいいし、今の時代を表す「時世」でもいい。
使い方としては「どちらも正しい」ということになります。
どの意味で使用するかの問題です。
★コロナが蔓延しているご時世、密な場所は避けたい。 ★コロナウイルス感染拡大で手洗いや消毒が言われているこのご時世、 しかし気にしない人達が一部いるのも事実。 ★コロナ禍のご時世、マスクは必須アイテムになった。 ★このご時世に、マスクつけずに店に入ってくる客は なにを考えてんでしょう? |
★コロナ感染で一大事のなか、倒産する企業やお店が後をたちません、 まだまだ厳しいご時勢 、職を失う人が大勢います。 ★コロナ禍でリモートワークが浸透して、会社に出社しないそんなご時勢になった。 |
もう一度「時世」と「時勢」について確認しておきましょう。
「時世」は移り変わる世の中のことです。 「時勢」は時代とともに変わる世の中の傾向をあらわしています。 |
しかし日本語って難しいですよね、この「時世」と「時勢」英語で言うとどうなるのでしょうか?
「時世」と「時勢」英語で言うとどうなるの?
日本語の「時世」は英語だと簡単です。
★英語・・・Time
Timeです「時間」ということですね。
分かりやすい!
これをご時世にすると、
「このご時世」は英語で「in this day and age」
という表現があります。
ことばにするとTimeではなく「in this day]になるんですね、
そしてage(時期)をプラスすることで、「このご時世」
を表現するということですね。
例文: ☑a slight fever で「微熱」その他にも ★つらいご時世 ★とんだご時世 |
では次に日本語の時勢は英語で言うと?
★英語・・・・Time
えっこれもtimeなんですね。
英語は合理的というか、「時世」も「時勢」もtime(時間)という意味にしています。
では、「○○のご時勢」とかになると、どうなるのでしょうか?
英文にすると「times like this」ということばになります。
★これまでとは違う新しい時勢の動き 英語・・a new trend 時勢をトレンドという言葉で表している言葉ですね。 ★物事が時勢にうまくかなった結果 英語・・the result of things that worked well in the present time 時勢によりうまくいった、それを「present time」にした文ですね。 ★時勢に対応する keep up with the trend of the times ★時勢に遅れる fall behind the times ★時勢に伴って行く keep pace with the times |
「時世」も「時勢」も英語では基本的には「time」です。
文書の意味のなかで「trend」や「keep pace」「behind」などをつけているんですね。
まとめ
「時世」と「時勢」の意味と使い方について解説してきました。
「時世」は移り変わる世の中のことであるが、 それに対して「時勢」は時代とともに変わる世の中の傾向をいう。 |
このようなことであると分かりました。
英語ではどちらも「time」で表し、意味の違いで助動詞が付け加えらるようです。